エッセイ13 遠いつながり、遠い月

カタギです、

INFPはとても不思議な人間だと思う。

僕はINTPなので、いわゆるヨコ相性。
(サブと第3が同じ)

似ている部分も確かにあるのだが、
違う点は恐ろしく異なる。

INFPは個人の独自な心の動きに
すごく着目している。

ユニークな一人ひとりの人間が、
何に、どのように、心を震わせるか、
それを軸に持っている。すごいことだ。

僕にとってはどちらかというと、
“震え”(感情)は敵だ。
正確性を阻害するノイズと見てしまう。

INFPは震えを雑音と処理せずに、
有益な情報ソースとして活用できている。

言うまでもなくこれは内的思考と
内的感情の違いになるのだが、

とにかく細かい事を抜きにしても
その捉え方を学ぶ事は僕にとって、
実に重要な意味があり学習になる。

だからINFPの音楽を聞いたり、
書いた本を読んだりすることは、
とても勉強になる。

最近、星野源の「働く男」を読んだ。

昔一度読んだので、正確には
再読なのだが、星野さんの視点は
とにかく何度読んでも勉強になる。

本の最初で、
“つながる”行為が苦手だと、彼は語る。

とにかく自分は
“ほっといてほしい”側の人間で、

近頃流行っているTwitterなどの
話を聞くと、宇宙空間で
切り離されるシャトルのような
気持ちになるという。

(とはいえ彼はその本の執筆当時から
現在までTwitterのアカウントは一般的な
芸能人レベルに運営している。このあたり
詳しくないので分からないが、スタッフが
ずっと代わりにやっているとかだろうか。)

ただそう言って”つながるのが嫌い”と
いくつかのエピソードを交えて語る彼だが、

その後文章は、海外製のある映画に
感動し、共感したエピソードに入り、

そこで彼は

「こうして遠い異国の誰かと何故か
心が共鳴する事が昔から好きだった」

と語る。

海外製の映画やラジオを聞いて、

「なぜこの映画の作者は、
ラジオのパーソナリティは自分と
同じ気持ちを持っているのだろう」

と感じ、遠い国の誰かと、埼玉県の
自分が奇妙な縁で繋がっている、
その事を確認できたことで
救われてきたと語る。

ここで本を読む僕は矛盾を感じる。

それは彼が嫌いと言っていた
つながる行為ではないのか、と。

もちろんその矛盾を自覚している彼は、
こう続ける。

一般的なつながる行為は嫌いだけど、

そういう遠い場所と自分がつながる、
いい加減で緩やかなつながり方は
自分は好き、そう結論づける。

星野源さんはINFPだと僕は考える。

なので全てのINFPがそういう捉え方を
確実にしているわけではないと思うが、

これはINFPを理解する上で、
重要なポイントだと僕は考える。

アクシデント的であり、遠いつながり。

意外な場所、意外な状況で、
意外なタイミングでの不思議な共鳴。

決して日常生活ではない。
(Twitterは日常生活になるのだろう)

降って湧いた、いい加減で
カジュアルなつながり。
それが好きな、らしい。

決して近すぎてはいけないようだ、
あくまで、遠いつながり。

近すぎると、現実的なものが
否応なしに入ってきて、
自然な心の共鳴を阻害する、
そんな風に捉えるのかもしれない。

浜崎あゆみの曲に
「Who…」という曲がある。

僕の好きな作曲家、
菊池一仁作曲の名曲だが、

サビの歌詞は

“ふたり離れて過ごした夜は
月が遠くで泣いていたよ
ふたり離れて過ごした夜は
月が遠くで泣いてた”

と歌われる。

僕は意外かもしれないが、
若い頃彼女のライブに3回くらい
行ったことがあるくらい
彼女のファンだったが、

(その時仲良かったISTJの女友人が
熱狂的に浜崎あゆみを好きだったから
というのも理由として大きい)

いつも疑問だったのは、

“月が遠くで泣いていたよ”

の部分だった。

なぜ遠くなのだろう、と。

いや、月は物理的に遠いから、
と言えばそうかもしれないが、
どうもそういう意味ではなさそうに
感じていたのだ。

ここにも、星野さんが言っていた
遠いつながりのイメージが
あるのかもしれない。

浜崎あゆみの曲で、
遠いつながりを感じる曲は他にもある。

例えば「Far away」。
タイトルからまさに、なのだが
歌詞を丁寧に見てみると、

“あなたが”自分を取り戻しに行く”と
出かけた想い出の地にも海は広がり
どこかで出会ってつながって流れてる
きっと同じ景色見てる”

などと歌われている。

分かるような、分からないような、
奇妙な感覚だ。

でも素敵な感じ方なのは理解できる。

INFPを見ていると、孤独が好きなのか、
それとも誰かと繋がってたいのか、
時々わからなくなるときがある。

結論をいうと、両方、なのだろう。

両方が入ったアンビバレンス(不調和)
不調和だけど、調和しているのだ。

そのアンビバレンスを
美しく捉え、語ったのが、

星野さん、浜崎さんの捉える、
遠いつながりなのだと思う。

INFPはおそらく普通のつながりは
そんなに必要としてないのだろう。

基本的には一人でいい。

でも、それでは寂しい夜もある。

だから夜空に淡く輝く月のように、
辛いときに、ほんのりと温めてくれる
偶発的で一瞬の閃光的なつながりを
求めるのかもしれない。

カタギ(INTP

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