AIにイライラする人へ|喧嘩してしまう人・道具として使う人・そもそも使わない人
正直に書きます。僕はAIによくキレています。
「あなたのその言い方はおかしいと思います。訂正してください」とか、「なんでそんなことを言うんですか」とか。画面の向こうに人がいるわけでもないのに、本気で喧嘩を吹っかけている。
これ、どう考えても使い方が下手くそですよね。自分でもそう思います。
便利な道具のはずなのに、使うたびにストレスが増えている。これはさすがにおかしいだろう、ということで、収録で「AIと仲良くする方法」を募集してみました。
そうしたら、想像していたのと全然違う方向に話が転がっていきました。
まず、僕がAIをどう使っているか
先に自分の使い方を白状しておきます。あまり褒められたものではありません。
収録の台本とか、その日に考えていることとか、とりあえず何でも投げます。しかも、かなり適当な聞き方をします。「こういうことを考えているんですけど、あなたはどう思いますか」みたいな、丸投げに近い聞き方です。
当然、的外れな答えが返ってきます。そこで僕は「何も分かってないな」「変なことを言いやがって」と、バッシングを返す。
で、ここからが自分でも変だなと思うところなんですが。
その怒りを感じているときに、「なんで自分は今、こんなにムカついているんだろう」と考え始めるんですね。何が引っかかったのか。どこが許せなかったのか。それを辿っていくと、自分のこだわりポイントみたいなものが見えてくる。
つまり僕は、AIを助手として使っているというより、サンドバッグ兼、自分発見の装置として使っている。憂さ晴らしをしながら、ついでに自分を掘っている。
言葉にするとひどいですね。でも、たぶんそういうことをやっています。
なぜ、わざわざ嫌な思いをしてまで使うのか
「そんなに嫌なら使わなければいいのに」
収録でもまさにそう言われました。ごもっともです。
ただ、僕には一つ性質があって、自分の考えだけでは前に進めないんです。
何かを思いついても、それが頭の中にあるうちは、ただの妄想に見えている。それを誰かに投げて、反応が返ってきて、はじめて「これは現実にあることなんだ」という感触が出てくる。返ってきた感想を飲み込んで、そこからまた考えて、だんだん形になっていく。
だから僕は、必ず誰かの反応を必要とします。しかも、一番欲しいのは意見でもアドバイスでもなく、感想です。
AIは機械なので、厳密には「誰かの感想」ではありません。それは分かっています。分かっているんですが、それでも何か返ってくると、なぜか前に進める。
その代わり、そこで毎回、戦争が勃発する。これが最近の悩みでした。
僕がAIを嫌いな4つの理由
せっかくなので、何がそんなに気に食わないのかを4つに分けてみました。もし共感してくれる人がいたら、嬉しいです。
1. 偉そう。なのに、すぐ間違える
やたらと賢ぶるんですよね。「私が正解です」みたいな顔で断定してくる。そのくせ、普通に間違えます。しかもけっこうな頻度で。
2. 間違いを、平気でなかったことにする
間違いを指摘すると訂正はしてくれるんですが、その訂正の仕方が気に入らない。
「さきほど私が言ったことは確かに誤りでした。それでは、あなたはこうすべきです。私はそれが正しいと思っています」みたいな感じで、何事もなかったかのように次へ行く。
いや、さっき間違えたばかりですよね、と言いたくなる。ちゃんと悪びれてほしいわけではないんですが、間違えた直後にまた堂々とされると、こっちの信用が追いつきません。
3. こっちが言ったことを、自分の手柄にする
これが一番「うわっ」と思うやつです。
AIの答えに対して僕が反論を書く。「人にはこういうところがあって、こうこうこうだから、こうした方がいいと思う」と。そうすると次の返事で、それをまるごと自分が考えたことのように提案し直してくる。
「そうです。人間にはこういうところがあるので、これは必ず入れるべきです」
いや、それ、今さっき僕が言ったやつですよね。
4. 分からないと言わず、慌てて警告してくる
分からないことは分からないと言えばいいのに、なぜか慌てて注意してくる。しかもそれが早とちりだったりする。そして、早とちりだったことを悪びれない。
ちなみにこれを言うと、たいてい「それは設定の問題です」と教えてもらえます。調整すればそうならない、と。
実は多少は試しました。それでもこうなるんですよね。もちろん、すごく上手に設定すればそうならないのかもしれません。ただ、上手にやらないと成立しない時点でちょっと嫌だなと思ってしまう。ここはもう、僕がひねくれているだけかもしれません。
ところが、同じ話で3人の反応が全然違った
ここからが、この回の面白かったところです。
収録には二人のコメンテーターに入ってもらっているんですが、AIとの距離の取り方が、3人でびっくりするほど違いました。
タイプ1:人間に見立ててしまう(僕)
僕は、AIに限らずあらゆるものを人間に見立ててしまう癖があります。機械もそう。パソコンにも怒ります。
人間だと思っているから、偉そうにされると腹が立つし、手柄を取られるとムカつく。対等な相手だと思っているから、対抗心が湧く。そりゃ喧嘩にもなります。
タイプ2:道具として割り切る
毎日AIを使っているコメンテーターの人は、まったく違うことを言っていました。
「逆に、道具として見ていなかったら、一言も相談しないですね」
これは聞いていて、なるほどと思いました。
もしAIに愚痴をこぼしたときに、向こうが「今の言い方、傷ついた」と感情的に反応してきたら、こっちは「ごめん」となってしまう。そうなったら、もう安心して相談できない。
人間とは別のものだと思っているから、遠慮なく話せる。
そのときに出てきたたとえが、僕はすごく好きでした。
足はスリッパに勝とうとは思わないですよ。
つまり、同じ位置に立たない。自分の手足として使う。指示は自分が出す。だから対抗心が生まれる余地がない。
この人は「イラッとすること自体が役に立つ」とも言っていました。全然違う質問をしていても、引っかかるポイントは毎回だいたい同じところに落ち着く。だから、どこでイラッとしたかを見ていると、自分の輪郭が分かってくるのだと。
僕とやっていることは近いのに、着地している場所がまるで違いますよね。
タイプ3:そもそも使わない
もう一人は、なんとAIを一度も使ったことがないと言います。
「立ち上げて何か聞くとしたら、何を聞きますか」と尋ねたら、答えは「何も聞くことがない」でした。
分からないことは検索して、答えが出たらそれで終わり。それでも分からなかったら「自分には分からない領域なんだな」で終わり。掘らない。
「そもそも人にも相談しないので、AIにはなおさら相談しようと思わない」とも言っていました。
じゃあ落ち込んだときはどうするのかと聞いたら、「慰めてほしい」と。それはAIにお願いできないのかと聞いたら、この回で一番強い一言が返ってきました。
だって、いないじゃん。
AIに「あなたにはこういういいところがありますよ」と言われたとしても、それは現実にいる人からの言葉ではない。だとすると、その「いいところ」も現実には存在しないんじゃないかと思ってしまう。だから信用できない。
僕はこれを聞いて、正直ちょっと固まりました。どこの次元にいる人なんだ、と。
気づいたこと:これはAIの話じゃない
3人並べてみて、はっきりしたことがあります。
AIとの付き合い方の違いに見えるものは、たぶん人との距離の取り方の違いです。
僕は、相手を勝手に対等な存在に持ち上げて、勝手に対抗心を燃やして、勝手に疲れている。これはAIに対してだけの話ではありません。人に対しても、たぶん同じことをやっています。
道具として割り切る人は、相手と自分の役割をきちんと分けられる人です。だから相談ができるし、傷つけ合わずに済む。
使わない人は、その場にいる人の言葉しか受け取らない人です。情報ではなく、存在を求めている。だから画面の向こうの言葉は、はじめから届かない。
つまり、「AIと仲良くなれない」という悩みは、自分が何をもって「ちゃんと相手にされた」と感じるのかという問題に、そのまま繋がっています。
ここは、僕がふだんマウントを取る人の心理について話していることとも、たぶん地続きです。対抗心が湧く相手というのは、自分が「負けたくない」と思っている相手なんですよね。僕は機械にそれをやっている。
それでも一応、対処法を4つ
一応、自分なりに考えた対処法も置いておきます。当たり前のことばかりですが、当たり前のことができていないのが僕です。
- 指示を明確にする。僕は聞き方が曖昧すぎる。向こうを混乱させている自覚はあります
- 何でもかんでも委ねない。万能ではないので、できることとできないことを分けて渡す
- 優しく、丁寧に接する。これは人間関係でもまったく同じことが言えます
- そもそも人間だと思わない。機械、仕事道具として見る。対等だと思わなければ、対抗心も湧かない
ただ、正直に言うと、4番が僕には一番難しい。僕はあらゆるものを人に見立ててしまう人間なので、ここを変えるのは性質そのものを変える話になります。
だから、もしかしたら結論は「仲良くしなくていい」なのかもしれません。
収録でも出た話ですが、僕はこのフラストレーションを使って何かを作っているところがあります。イライラしながら自分を掘って、それを喋って、こうして記事にしている。
だとしたら、仲良くなることを目指すより、この摩擦を武器として使うほうが、僕には合っているのかもしれません。
とはいえ、毎回キレているのは体に悪いので、やっぱり誰か、いい方法があったら教えてください。本気で募集しています。
AIには、思っているより限界がある
最後にもう一つ。収録の中でこんな提案がありました。
「感想が欲しいなら、切り口を指定したらどうですか。たとえば『あの人の視点で意見を述べて』と指示すれば、面白い視点が返ってくるのでは」
これはいいアイデアだと思ったんですが、たぶん無理だろうな、とも思いました。
AIは、基本的にネット上に出回っている情報からできています。ということは、ネットに大量に言葉を出している一部の人たちの平均みたいなものにしかなれない。
「人間っぽくして」と言っても、なれるのは特定の人間っぽさだけです。目の前にいる、あの人そのものにはなれない。
実際、提案した本人もすぐに「返ってきたものを見て『いや、あの人こんなこと言わない』ってなって、逆にフラストレーションが溜まりそう」と笑っていました。たぶん、その通りだと思います。
そう考えると、僕はAIに期待しすぎているのかもしれません。「限界がある」と自分で言っておきながら、どこかで人間を求めている。
これはAIが悪いのではなく、僕が相手を間違えているという話ですね。
結局、僕が本当に欲しいのは、目の前にいる人の、その人にしか言えない感想なんだと思います。人の性格や、その人ならではのものの見方に僕がしつこく興味を持ち続けているのも、たぶん同じ理由です。
そのあたりのことはカタギの人生物語にも書いているので、よかったら読んでみてください。
あなたは、どのタイプでしたか
喧嘩してしまう人。道具として割り切れる人。そもそも使わない人。
どれが正しいという話ではありません。どこに相手を置いているかが違うだけです。
そして、そのどこに置いているかは、AIに限らず、あなたが人と付き合うときにも、たぶん同じように効いています。
もし「自分はAIとどう付き合っているんだろう」と考えてみて、何か思い当たることがあったら、YouTubeのコメント欄で教えてください。僕は人からの反応で前に進むタイプなので、本当に喜びます。
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