MBTIでタイプを決めつけていない?人と向き合うために大切なこと
こんにちは、性格診断コンサルのカタギです。先日、YouTubeで「質問コーナー」の動画を撮りました。みなさんからいただいた質問に、ひとつずつ答えていく回です。この記事では、その動画で扱った4つの質問を、あらためて文章でお話ししていきます。
4つの質問は、テーマとしてはバラバラです。友達との接し方の話もあれば、タイプの見分け方の話も、家族の話もあります。でも、答えていくうちに気づいたのですが、この4つ、根っこはぜんぶ同じ場所につながっていました。
その「同じ場所」が何なのかは、最後にお話しします。まずは、ひとつずつ見ていきましょう。
Q1. 集団で会話に入ってこない友達、気にかけたほうがいい?
まず最初にお伝えしておくと、この質問には「その子は○○タイプなのでは」という予想も添えられていました。ですが、そのタイプが合っているかどうかは、ここではいったん置いておきますね。理由は、この記事の最後にわかると思います。
そのうえで答えると――居心地が悪そうでないなら、それでいいんじゃないかな、と思います。
ただ、「大丈夫? 楽しんでる?」と頻繁に言われているということは、楽しんでいるように見えない部分も、あるにはあるのでしょうね。
でも、ここが大事なところなのですが。みんながみんな、話に入って盛り上がりたいわけではないんです。聞いているだけで満足という人もいるし、喋らなくていいなら喋りたくない、という人もいます。本人が入りたそうにしているならともかく、そうでないなら、無理に話に入れようとしなくていいと思います。
気になるなら、遠回しにせず、直接聞く
それでも気になる。そういうときは、どうすればいいか。
集団で話しているときではなく、1対1のときに、直接聞いてみるのが一番です。「いつも話に入っていないみたいだけど、ああいうときって、どんな感じでいるの?」と。
こちらであれこれ気を回して、「この子、入りたそうにしてるのかな」「入りやすい話題に変えてあげようかな」と工夫するのも、もちろん優しいことです。でも、それだけだと、やっぱり分からないんですよ。
もし「もっと会話に加わってくれると嬉しい」という気持ちが自分にあるなら、それも正直に伝えていいと思います。「あなたも一緒に入ってくれると、私としてもすごく嬉しいんだ」と。そう言えば、相手も「あ、この人はそう思ってくれてるんだ」と分かる。そこで初めて、話が動き出します。
それから、もうひとつ。この質問では、別の友達が「大丈夫? 楽しんでる?」と頻繁に気にかけていました。こういうとき、実はその「気にかけ」が、相手が本当に困っているサインとは限らないんですよね。むしろ「みんなに楽しくいてほしい」「その場が心地よくあってほしい」という、気にかけている側自身の願いから来ていることも多い。だとすると、「問題」に見えているものは、静かにしている子の状態ではなくて、気にかけている側の心配の投影かもしれない。そんな見方もできます。
人付き合いの悩みのほとんどは、突きつめると「コミュニケーション不足」なんですよね。もう少し正確に言うと、「本音でぶつかり合うことの不足」です。遠回しのやり取りだけでは、人は分かり合えない。だからこそ、気になるなら、直接聞く。それが、いちばんの近道だと思います。
Q2. 似たタイプ(進化相性ペア)を見分けるには、どこに着目する?
少し用語の説明をしますね。私が「進化相性」と呼んでいるのは、内向(I)と外向(E)だけが違うペアのことです。たとえばINFJとENFJのような組み合わせですね。中身の心理機能は似ているのに、IとEが入れ替わっている。だからこそ、パッと見分けるのが難しい、と。
この質問には「クイックな指標と、本質的な指標を知りたい」とありました。見分けるためのチェックポイントが欲しい、ということですね。気持ちはとてもよく分かります。
ですが、正直に答えると――そういう「着目すべき一箇所」は、ないんです。
その人らしさって、どこか一点に強く出るものではないんですよね。もっと、全体からにじみ出てくるものです。だから、最初から「このタイプはこういう服を着る」「こういう言葉を使う」と細かく決めつけようとすると、かえって例外が多くなって、ショートカットになりません。
それに、仮に私が「ENFJはここを見ています」とクイックな見分け方をお伝えしたとしても、それはあなたには、そのままは使えないと思うんです。見分けるポイントというのは、いろんな実感が自分の中に積み重なって、その人だけの「感覚」として、あとから立ち上がってくるものだからです。人から借りた指標は、どうしても上滑りしてしまう。
指標を探すのではなく、感性を育てる
では、どうすればいいか。
いちばんいいのは、そのタイプの「本物」に、たくさん触れることです。ENFJを見分けたいなら、ENFJがどういう人なのかを、まるごと知る。「ふうん、こういう人なんだな」という感覚を、自分の中に少しずつ育てていく。すると、別の場面で初対面の人と会ったときに、「あ、なんだかENFJの人に似た空気を感じる」と、自然にヒントが見えてくるようになります。
その「本物に触れる」ための具体的な方法を、いくつか挙げますね。
- いちばんいいのは、私の主催する会に来ていただくこと。いろんなタイプの人がいるので、実際に絡んでいくうちに、体感でつかめます。
- 公式サイトの解説ページを読む。各タイプの特徴や、そのタイプに近い著名人も紹介しています。
- YouTubeのコメンテーター企画に出ている方を見る。たとえばENFJの方も出演しているので、雰囲気をつかむ材料になります。
最初はまず、「正しくラベリングされた人」がどういう人なのかを、しっかり知る。その積み重ねの中から、「自分にとって見やすいポイント」が、あとから自然に立ち上がってきます。指標を覚えるのではなく、感じ取る力を育てる。遠回りに見えて、これがいちばん確かな道だと思っています。
Q3. 頼んだことをやってくれない父。どうしたら動いてくれる?
自分が頼んだことを無視されるのは、悲しいですよね。お母さんも怒っていて、大変な状況だと思います。気持ちはとてもよく分かります。
そのうえで、まずお伝えしたいことがあります。そもそも、頼んだことをやってもらうって、けっこう大変なことなんですよ。これは、どんな相手でもそうです。
「そんな難しいことでもないのに、なんで」と思うかもしれません。でも、あなたにとって簡単なことが、お父さんにとっては大変かもしれない。やる必要がないと思っていることかもしれないし、むしろやらないほうがいいと思っていることかもしれない。同じ価値観で、みんなが生きているわけではないんですよね。
「家族だから」は、実は通用しない
今までやらないで生活してきて、それで問題がなかった。そこに「これをやって」とプラスするのは、ただお願いするだけでは、なかなか難しいものです。
「家族なんだから、そんなのいいでしょう」と思うかもしれません。でも、家族といっても、自分とは違う一人の人間です。自分にとっては嬉しいことでも、相手にとってはそうじゃない、ということはいくらでもあります。
報酬といっても、お金や物である必要はありません。「やってくれたら、すごく助かる、ありがとう」と伝える。「さすがだね」と褒める。ぎゅっとハグする。何でもいいんです。相手が喜ぶことを、ちゃんと返してあげる。それが大事だと思います。
考えてみると、仕事はある意味シンプルなんですよね。やりたくないことでも、お給料という報酬があるから、やる。でも家庭やプライベートの人間関係は、仕事ではありません。言ってしまえばボランティアです。だからこそ、お金以外の「報酬」を、こちらから工夫して渡していく必要がある。
タイプの話が来ていましたが、正直に言うと、これはタイプ以前の話だと思います。もしそのうえで「作業自体が面白くない」タイプなのだとしたら、その作業自体を、少し面白くする工夫を足してあげる。そんな視点も、役に立つかもしれません。
Q4. カタギが友人・パートナーに「求めないもの」は?
求めないものを聞かれるのは、ちょっと珍しいですね。正直に言うと、少し答えづらい。でも、せっかくなのでお答えします。ただ、その前に――まず「求めること」から話させてください。そのほうが、たぶん伝わるので。
まず、求めること
パートナー(ここでは恋人として)に、いいなと思うのは。素直であること。常識があること。心の根が優しいこと。人間が好きなこと。人と一緒にいたいと思える人。そして、本音でぶつかってくれる人。
友人だと。人と一緒にいたがる人。面白い人。話ができる人。そして、私のことを面白がってくれる人。
こうして並べてみると、自分でも気づくのですが。私が求めているものは、全部「その人がどう在るか」「どう向き合ってくれるか」なんですよね。
では、求めないこと
ここからが、ご質問への答えです。求めないもの。
冷静さ。家事ができること。生活力。自立していること。感情的に安定していること。たくさん働くこと。こちらを気にかけてくれること。話をよく聞いてくれること――。
並べてみると、世間で「いい相手の条件」とされるものが、けっこう入っていますよね。でも、これらは全部「何をしてくれるか」なんです。いわば、スペックや条件の話。私は、そこで人を見ていないのだと思います。「話をよく聞いてくれる」ことより、「本音でぶつかってくれる」ことのほうが、私にはずっと大事なんですね。
「○○ではない」は、人を伝えない
実は、この質問に答えながら、思ったことがあります。
「○○ではないです」「これは求めません」という答えって、あまり人を伝えないんですよ。
「求めるものは?」と聞かれて「こういうものです」と答えれば、相手は「ああ、この人はこういうところで人とつながりたいんだな」と分かる。安心するし、付き合い方も見えてきます。
でも「求めないものは?」に「これです」と答えても、「はあ、そうですか」で終わってしまう。悪くすると、距離ができてしまう。
だから私は、求めないものより、求めるものを話したいんです。否定で自分を語るより、肯定で語るほうが、人と人はつながれる気がします。これは、あの質問者さんへの説教ではなくて、自分自身への戒めでもあります。
4つの質問の、根っこにあったもの
さて。最初に「4つの質問は、根っこがぜんぶ同じ場所につながっていた」とお話ししました。その場所とは、何だったのか。
ひとことで言うと、こういうことです。
目の前のその人と、直接、本音で向き合おう。
Q1では、「このタイプだからこう接しよう」ではなく、直接聞く、という話でした。Q2では、指標で判別するのではなく、本物に触れて感性を育てる、という話でした。Q3では、タイプ以前に、相手を一人の人間として見る、という話でした。Q4では、否定ではなく肯定で、自分を差し出す、という話でした。
ぜんぶ、同じことを言っているんですよね。
タイプという記号は、とても便利です。でも便利すぎて、ときどき「現実のその人と、ちゃんと向き合わなくていい理由」になってしまう。「ああ、このタイプか。じゃあこう接すればいいな」と、そこで分かった気になって、止まってしまう。
私が本当にお伝えしたいのは、その逆です。タイプは、人を面白がるための「とっかかり」にすぎません。記号の先には、生身の、一人ひとり違う人間がいる。そこに、もっと踏み込んでいってほしい。本音でぶつかっていってほしい。
本音でぶつかるのは、しんどいし、疲れます。でも、そうすると、たいてい分かり合えるんです。ここでいう「分かり合える」は、意見が一致することではありません。「え、なんでそう考えるの? 自分にはそう思えない」ということは、むしろ増えるかもしれない。それでもいいんです。その「分からなさ」ごと引き受けられることが、分かり合うということだと、私は思っています。
人間関係の悩みの多くは、相手が「分からない」ところから始まります。なぜ分からないのか。たいていは、本音でぶつかっていないからなんですよね。
「実際に会って学ぶ場」があります
この記事でお話ししたことは、結局のところ「記号で覚えるより、実物に触れる」という一点に尽きます。16タイプLABOでは、毎月の定例会(東京・大阪)やコミュニティを通じて、いろんなタイプの人と実際に絡みながら、性格タイプを体感で学んでいます。性格を「直す」場ではなく、人を「面白がる」場です。もしピンと来たら、下のリンクからのぞいてみてください。
カタギ(INTP)