マウントを取る人の心理と3つの対処法|なぜ自信のある人ほどマウンティングされるのか

職場の同僚や、サークルの後輩、ちょっと親しい知人。頼んでもいないのに「それ、こうしたほうがいいよ」と言ってくる。心配そうな顔で「本当に大丈夫?」と聞いてくる。みんなの前で、さらっとこちらを下げてくる。

その場ではうまく言い返せなくて、家に帰ってからじわじわ腹が立ってくる。そんな経験、ありませんか。

こんにちは、性格診断コンサルのカタギです。僕はマウンティングされるのがとても嫌いで、正直むかつきやすいほうです。なので一度、ちゃんと解剖してみることにしました。

先に結論を言ってしまうと、マウントを取ってくる人は、あなたに怯えています。見下しているから下げてくるのではなくて、あなたの持っている力や自信に脅かされて、とっさに下げてくるんです。

この記事は、YouTubeで仲間と話した回の内容を整理し直したものです。動画で見たい方はこちらからどうぞ。

動画:マウントを取る人の心理と3つの対処法(YouTube)

ここから先は、あくまで僕の見方で、心理学の定説ではありません。自分の経験と、一緒に話したメンバー(マウンティングをする側だと自分で認めている人もいます)の声から組み立てています。

マウンティングとは|一言で言うと「裁く」こと

マウンティングとは、他人を無理やり下げて、自分を相対的に高く見せる行為です。形としては、指摘、アドバイス、ダメ出し、それから心配のような顔をした提言として出てきます。

ここで大事なのは「相対的に」というところです。自分を高く見せるために、相手が必要になる。だからマウンティングは、一人では成立しません。必ず対象がいます。

では、なぜ下げられるとあんなに嫌な気持ちになるのか。いつも通り、一言で言ってみます。

裁く

「決める立場にいるのは自分だ」という前提で、
こちらのことを話してくる。

マウンティングしてくる人は、「今からあなたを裁きます」と宣言してくるわけではありません。「あなたのことを決める権限を持っているのは、あなたじゃなくて自分だ」ということが、もう決まっている前提で話してくるんです。気づいたら、いつの間にか裁判長の席に座っている。

だから、言い返しにくいんですよね。

言われた中身に反論しても、どこかずれてしまう。本当に引っかかっているのは中身ではなく、「なんであなたが決める側になっているの?」という前提のほうだからです。でもその前提は口に出されていないので、指摘するには一段さかのぼらないといけない。その場のテンポの中では、それがなかなかできません。

あのとき黙ってしまったのは、あなたが弱かったからではありません。そういう形の攻撃だから、なんです。

自慢・いじめ・悪口とは、どう違うのか

似たものと混ざりやすいので、ここで切り分けておきます。

向かう相手していること
自慢相手はいらない自分の力を、そのまま見せる
いじめ力のない人力を行使する
悪口・批判・非難誰にでも(関係がなくても成り立つ)否定的に評価する
マウンティング力や自信のある人(関係があってはじめて成り立つ)決める立場は自分だと見せる

自慢は、相手を必要としない

自慢は、一人で完結します。「俺の車かっこいいだろ、これ5000万円したんだ」。自分の力を見せているだけで、相手は関係ありません。

マウンティングは違います。「お前の車、ここがイマイチだな。もっとこういうのを選べばよかったのに」。相手のほうを下げてくる。しかも面白いことに、自分の車を持ち上げることはしないんです。

ちなみに僕は、完全に自慢型です。自信はあるけれど、他人を下げてまで見せる必要はない。(だからこそ、下げられるとむかつくんですけど)

いじめとは、向かう方向が逆

いじめは、単純に力を行使したくてやるものです。だから、反撃してこない弱い人に向かいます。

マウンティングは逆で、相手の力や自信にプレッシャーを感じた側が、反射的に出すものです。だから向かう先は、力のある人、自信のある人になります。

悪口とは、関係性で分かれる

たとえば僕がYouTubeで喋っていて、見ず知らずの人から「お前が言うな」とコメントが来たとします。一見マウンティングっぽいですが、僕はこれをマウンティングとは呼びません。通りすがりの悪口であり、非難です。その人と僕の間に、関係がないからです。

でも、普段一緒に話している仲間が、同じ場で同じことを言ってきたら。それはマウンティングになります。

マウンティングは力関係の話なので、関係がないところには生まれないんです。必要なのは、対象と、それを見せる場と、ある程度の関係性。この3つがそろって、はじめて起きます。

なぜ、自信のある人ほど狙われるのか

「いや、普通は自信満々の強い人なんて、わざわざ攻撃しないでしょう。言い返されたら負けるかもしれないし」

そう思いますよね。でも、マウンティングは計算された攻撃ではないんです。反射的な防衛反応なんです。

マウンティングする人は、相手の中に自分より上の力や自信を感じ取ったとき、あるいは自分の力や立場をちゃんと認めてもらえていないと感じたとき、軽いパニックになります。このままだと自分の居場所が脅かされる。その不安を打ち消すために、とっさに相手の頭を下げて、自分のプライドを取り戻そうとする。

収録では、マウンティングをする側だと自分で認めている参加者が、こんなふうに話してくれました。

弱い部分を素直に見せたら、降参になっちゃう。そこを突かれるのが嫌なんです、痛いところだから。バレたら、今まで築き上げてきたものが全部崩れちゃう。

マウンティングをする側だと自認する参加者

守りたいものがあるから、鉄壁で守る。そこが反射的であり、防御的なんです。

マウンティングとの関わり方は、3種類に分かれる

マウンティングとの関わり方で、人は大きく3つに分かれると僕は考えています。マウントを取る人(僕は「マウンター」と呼んでいます。僕の言い方なんですけど)、マウントは取らないけれど、されると嫌がる人、そしてマウントが気にならない人です。

分かれ目は、社会的な力や決定権を、欲しいと思っているかどうかです。

気にならない人は、そもそも決定権を持ちたいと思っていません。力を取り合う土俵に乗っていないので、脅威にならず、あまり狙われません。

一番マウンティングされるのは、「取らないけど嫌がる人」です。自分の力や判断に自信があって、しかもそれを手放す気がない。だからマウンターの防衛反応を、一番引き出してしまうんです。

もし今、あなたがよくマウンティングされているなら。それは、あなたが何かの点で力を持っていると、相手に見えているということです。

マウンターの素顔

じゃあマウンターはただの嫌な人なのかというと、僕はそうは思っていません。気が強くて、助言が多くて、力を見せたい人ではあります。でも同時に、社会的な立場にとても敏感で、プレッシャーを感じやすい。社会から評価されることを大事にしていて、そこに責任を感じている人でもあるんです。

誰かが力や決定権を持っているのに、それをうまく使えていないと、黙っていられない。そういう意味では、責任感と協力心の強い人だと僕は思うわけです。

マウントを取る人の2つのタイプ

大衆マウントタイプ|観客が必要

1対1では、あまりマウンティングをしません。周りに人が多いほど、特に見知らぬ人がいるほど出てきます。意識が向いているのは相手よりも観客で、「俺のほうが上だ」とみんなに見せたい。

出方は分かりやすくて、単発です。いいタイミングで一瞬こちらを蹴落として、それで終わり。

人見知りマウントタイプ|逃げ道を残す

こちらは逆で、知らない人が多い場ではすごくおとなしいタイプです。ところが少人数の、気心の知れた集団になると、ちょっとずつ始まる。

冗談めかして、笑いながら。反論しにくい形で、じわじわと。そして最後には、相手を丸ごと包み込もうとするところがあります。観客はどうでもよくて、その人を飲み込みたいんです。

この「冗談めかす」というのが、実は逃げ道になっています。もし反発されても「いや、ただの冗談じゃん」と引き返せる。完全に自分が上だと真正面から示すほどの強さはない。そこに、このタイプの精神的な脆さ、繊細さが出ています。

※ここでいう「人見知り」は、16タイプの内向(I)とは別の話です。内向と外向の違いについてはこちらの記事で詳しく書いています。

僕が後輩にされていたこと

ここで、僕自身の話もしておきます。

昔、ジャズ研でバンドをやっていたころ、ある後輩がいました。1対1のときはすごく丁寧で、「先輩、コーラ買ってきますよ」「次の曲、楽しみにしてます」と言ってくれる。

ところが、みんながいる場になると「お前のMCつまんない、俺がやる」。こっちに決めさせないんです。勝手に「つまらない」と裁定してくる。典型的な大衆マウントタイプでした。

ライブ当日、僕が決めていた段取りを、彼がいきなりひっくり返したことがあります。「この案つまんないから、こうやろうぜ」と。でも、全然続かなかったんです。一瞬で終わった。

あとで「あれやるって言ってたけど、どうした?」と聞いたら、すごくバツが悪そうにしていました。

今思うと、彼は、僕が自由に「バンドやるぞ」「曲やるぞ」と勝手に決めていくのが気になっていたんじゃないか。なんであんなに自信を持って、全部決められるんだろうと。

それに、僕のMCが面白くないというのは、少なくとも彼から見れば一理あったはずです。(そこは認めます)空気を悪くしたことで、次は別のやり方を考えたかもしれない。彼にとっては、いい成長の機会だったと思っています。

「心配」とマウンティングの見分け方

厄介なのが、心配の形をしたマウンティングです。

とはいえ、全部の心配をマウンティングだと思ったら、えらいことになります。それに、0か100で分けられるものでもありません。「マウンティングが7割で、心配が3割」ということも普通にある。

そのうえで、見分けるポイントを一つ挙げるなら、決めてくるかどうかです。

心配は、確かめる

「大丈夫なの?」「それでいいと思ってる?」と聞いてくれる。こちらが「大丈夫」と言えば、「そっか、心配だったけど、まあいいか」と引いてくれる。決定は、こちらに委ねられています。

マウンティングは、決める

「どうせできないでしょ」「こうしなさい」。こちらの答えを聞く前に、結論が出ている。こちらの決定は、最初から無効にされています。

参加者の一人は、大学の飲み会の帰りに、そこまで親しくない先輩からしつこく「大丈夫? 大丈夫?」と言われた経験を話してくれました。本人は全然酔っていないのに、「酔ってないですよ」と言ってもスルーされて、水を渡される。「私が守ってあげるからね」という感じを、周りに見せるように出してくる。

心配してくれているんだろうけど、どこか不自然。彼女はそこに引っかかっていました。

この不自然さは、いい目印になります。一人のときと大人数のときで態度がひっくり返る。必要のない心配を、わざわざ見える形で出してくる。そういうときは、裏に「決める立場は自分」という前提が隠れていることが多いです。

マウントを取られたときの対処法

やってはいけないこと|嫌そうな顔をする

一番やりがちなのに、逆効果です。

マウンターは、自分が感じたプレッシャーや悔しさを、あなたにも感じさせたいんです。嫌な顔を見せると、「効いた」という達成感を与えてしまう。止めるどころか、目的を果たさせてしまいます。

対処法1|ゆっくり復唱する

一番のおすすめはこれです。

たとえば「お前、どの口が言うの」と言われたら、ひと呼吸おいて、ゆっくりこう返します。「僕に『どの口が言うの』って、思ってるんですね」。

マウンティングは、その場のノリとリズムの中で成り立っています。スローで再生されると、言った本人も自分の理不尽さに気づく。大衆マウントタイプなら、観客の前で変な空気を作ったことにも気づいて、自分から止まります。

収録では、マウンターを自認する参加者からこんな反論も出ました。「マウントを取っている人は、取っているつもりがない。復唱されたら『生意気言うな』になるだけじゃないか」。

その可能性はあります。ただ、マウンティングには必ず場があって、マウンターは立場や関係性にとても敏感です。周りから変な目で見られていると察したら、ずっと意地を張り続けることはない、と僕は考えています。後輩に「あれ、どうした?」と聞き返したのも、復唱と同じ効果だったんだと思います。

対処法2|思いきり喜ぶ

「いやあ、決めてくれてありがとう。もう全部任せたい」。すごくウェルカムな態度を見せる。

マウンターの目的は、相手を下げて自分の自信を取り戻すことです。喜ばれてしまうと、それが果たせない。(できたら、ですけどね)

対処法3|普段から相手の力を認めておく

これはその場の対処というより、事前の準備です。

マウンティングされるとき、あなたは相手の力や大事にしているところを、相手が思うほどには認めていないことが多いんです。だから、「あの人が大事にしているところ、自分はちゃんと認めていたかな」と一度振り返ってみる。そして要所要所で、「本当に助かってる」「これ、お願いできるかな」と伝えておく。それだけで、自然と減っていきます。

「無視すればいい」は?

収録でも「一番の対処法は無視」という意見が出ました。でも僕は、それは止める手段にはならないと思っています。

大衆マウントタイプは相手より観客を見ているので、こちらが無視してもあまり関係がない。それに、ほったらかして自滅を待つのは、ちょっと可哀想だとも思うんです。理由は、このあと書きます。

マウントを取ってしまう人へ

読みながら「これ、自分かも」と思った方へ。マウンティングをよくしてしまうなら、たぶんあなたは、今の自分の社会的な立場に不満を持っています。あるいは、今いる場所で力を持っている人に対して。力を振るいたいのに、どこに向けたらいいか分からない。不完全燃焼の状態です。

でも、その願い自体は悪いものではありません。社会で責任を持ちたい。役に立ちたい。上の人の力になりたい。大きな決定権を持てるようになりたい。それは、あなたの協力心の表れです。そこは誇っていいと思います。

ただ、誰かを下げても、あなたの本当の力が上がるわけではありません。そのエネルギーは、責任のある立場に立てるように使ったほうがいい。自分の力をどこで発揮できそうか考えるときは、16タイプ別・向いている仕事と部署まとめも参考になると思います。

マウンターを自認する参加者は、最後にこうまとめていました。「マウントを取るのは、弱い自分を見せたくないとき。弱い自分を認めてあげれば、あまりしなくなるのかもしれない」。ただ、それは誰かに気づかされるものではなく、本人が気づくしかないんですよね。

マウンティングの真実は「不器用な善意」

最後に、一番伝えたいことを書きます。

マウンティングは、攻撃です。それは間違いない。

でも、中身をよく見てほしいんです。指摘、アドバイス、ダメ出し、心配、決めつけ。そこに善意がまったく入っていないかというと、そうでもない。その内容がまったくの的外れかというと、それも違う。

そこには必ず、協力心や貢献心が入っています。もっと関わりたい、もっと良くしたい。「あなたの持っている力、もっとこう使えば活きるのに」。少なくとも相手の目から見れば、そういうことを言っているんです。

ただ、それを素直に言えないのがマウンターです。素直に見せたら、降参になってしまうから。

だから受け取る側は、全部を跳ね返さなくていいと思います。あの言い方の中には、あなたが客観的に見て参考にすべきものが、必ず混ざっている。そこだけは見落とさないでほしい。

マウンティングは、冷たい行為ではありません。むしろホットな行為です。それだけの熱意を、あなたに向けているということでもあるんです。

器用な善意にしてくれ、と頼むわけにもいかないんですけどね。(そこが人間らしいところです)

まとめ

  • マウンティングは「裁く」こと。決める立場は自分だという前提で話してくる
  • 自慢は相手がいらない。悪口は関係がなくても成り立つ。マウンティングは、対象と場と関係性がそろって起きる
  • いじめは力のない人に、マウンティングは自信のある人に向かう
  • 心配は確かめる。マウンティングは決める
  • 大衆マウントは観客を必要とし、人見知りマウントは冗談という逃げ道を残す
  • 嫌な顔は逆効果。ゆっくり復唱する、喜ぶ、普段から相手の力を認める
  • その裏側には、不器用な善意がある

次にマウントを取られたら、「ああ、この人は僕の何かに怯えているんだな」と、一度思い出してみてください。それだけで、少し見え方が変わると思います。

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