エッセイ23 速いあなたと遅いあなた

カタギです、

何か行動する時や決断する時、

速い自分と遅い自分がいる事に、
あなたも気がついていると思う。

僕の場合、脳を回転させて
何かの答えを出すのは速い。

が、実際の現実的な
アクションは遅れる傾向だ。

このペースは大事で、遅れがち
なものをちゃんと見る必要がある。

心理機能の次元は4つある。

感覚、直観、思考、感情。

あなたがあなたを”前進”させるときは
この4者が協力して前にすすむのだが、
当然、足が速い人もいれば遅い人もいる。

感覚、直観、思考、感情。

当然メイン機能やサブ機能に
入っているものが速くなりやすく、
第3や劣勢が遅れがちになる。

あなたの場合、誰が速くて遅いか、
ちゃんと認識するのが大事である。

感覚、直観、思考、感情。

これは言い換えれば、

感覚:身体、現実的な行動
直観:意識、イメージ、信念
思考:頭脳、明確な答え
感情:気持ち、熱意、想い

と言い換えることができる。

身体は素早くても、気持ちが
ついてこなかったり、

イメージは先走っても、
現実的な行動が遅れたり、

それぞれのタイプによって、
必ずどこかで足並みが揃わない。

先日、僕のプログラムに参加した
ESTPのある女性から、

「カタギさんはいっぱいいっぱいになって、
夢の中で作業を終わらせていたそうですね、
私は逆の体験をしたことがあります。
自分がやった実感がなくて勝手に身体だけ
先走って、作業を終わらせていた事があるのです

終わったタスクを見て、スタッフに終わらせて
くれてありがとう、と言ったら、え?
店長(彼女の事)がやってましたよ
と言われてびっくりしたことがあります」

というようなコメントを頂いた。

ESTPは感覚メイン、直観劣勢である。

なので彼女の場合はもしかすると、

意識(直観)が止まって、
ついてこなくなったが、

メイン機能の感覚(身体)
だけで進んでそうなった、

ということが言えるかもしれない。

僕の例も紹介すると、
ESTPの方が仰っていたように、

意識やイメージ、頭の中だけで
タスク作業、未来が完了していて、
それが現実的についてきていないことに
あれ?とポカンとすることが多い。

例えば、ご飯を作る時。

夕食を作ろうとして、
必要な準備と調理過程を
頭の中で一瞬でプラン化し、
いざご飯を作る時、

僕はよくフライパンを落としたり、
卵を割ったり、ヘマをする。

それは不器用というより、
頭とイメージのスピードに肉体が
追いついてないことが多い。

卵を割って、といで、お湯を沸かして、
味噌汁の具も切って、フライパンに
油を敷いて、お皿も出して、調味料も…

という一つ一つの作業を
頭脳基準で考えるので、

物理的スピードを越えた
指令を無意識のうちに頭が
肉体に向かって出してしまうのだ。

結果、身体が追いつけなくて
何かをこぼしたり落としたりする。

20代中盤の頃、
某ファミレスチェーンで4年ほど
アルバイトをしていたが、この時も
やはり似たような経験をした。

僕は厨房もウエイターも
やっていたが基本は厨房で、

多かったのがウエイターの人が
お客さんから注文をとって入ってきた
オーダー伝票を見て、
他のキッチンの人たちに

「あなたはまずこれ作ってください」
「まずこれを出してください」

など指令を出す役目をすることが
非常に多かった。

僕は厨房ではしばらく最年少だったので
この命令を出さないといけない
司令官の係りは正直、気を遣い、
やりたくないポジションだったが、

その店の店長(ENTJ)が妙に
僕を評価していて、

「お前が一番賢いんだから
お前が指令を出すのが一番だ」

と言って聞かなかったのである。

まあそれはいいとして、
そこで指令を出していたのだが、

よく他のスタッフさんから
怒られ、注意されていたのが、

「指令が早すぎる、細かすぎる、
多すぎる、そんなにスグできるか!」

というものだった。

僕の指示出しはこんな感じだった、

「○○さん、オムライスの準備を
しながら、パスタを茹でてください、
ついでにスープをちゃちゃっと完成させて、
空いたタイミングに流しを洗ってください」

で、スタッフからは、

「…カタギさん、
僕は腕は2本しかありません!」

と怒られていた、のである。

ほんとお笑い草である。

でも、これをただの笑い話に
しないでほしい。

僕のケースとは違うだろうが、
あなたもまた全然違う例で、

先走る自分と、
ついてこれない自分のズレを
感じられた事があるはずだ。

やはりメイン機能やサブ機能の
部分は足が前に出やすく、
勇み足になりやすいと思う。

で、第3機能の部分は
必死についていこうとするが、
途中でバテたり、へばる。

で劣勢は基本、後回しになる。

そんな事が多いと思う。

考えてみてほしい。

仕事を決める時とかもそうだと思う。

感情が強いひとは気持ちがまず
決まって、それから他がゆっくりと
後を追ってくるだろうし、
基本的には、それでいいのだと思う。

僕の場合は完全に逆だ。

“やりたいか、
やりたくないか分からない”

それが基本的な僕のスタンスだ。

やりたいかは分からないけど、

やることに問題がなく(思考)、
新鮮なイメージ、緊張感、
予測できない未来(直観)が
待っていそうなことにトライしていく、

それが僕のスタンスになっている。

基本的に問題がなければそれでいい、
問題がないことのなかで、できれば
面白そうなことにチャレンジしたい、

現実的に可能かどうかや、
自分の気持はどうなのかは、

この時点では不明だ。
まるっきり追いついていない。

が、それで良いのだと思う。

無理やり第3や劣勢の部分を
“追いつかせてたり”
答えを出させる必要はないと思う。

特に第3機能。
ここは無理しやすい部分だと思う。

でも無理やりグイッと引っ張って、
メインやサブに追いつかせても、
あまりいいことはないと思う。

第3には第3のペースがあるのだ。

そこにイライラしない。
第3はスローで許してあげる。

第3が感覚の人は、
INTPINFPENTJENFJ
自分の発言やイメージと
現実感が追いついていない、
それを許す。待つ。

第3が直観の人は、
ISTPISFPESTJESFJ
自分の日々があまり変わらない
それを許す、待つ。

第3が思考の人は、
ISFJINFJESFPENFP
明確な答えが出せない自分、
それを許す、待つ。

第3が感情の人は、
ISTJINTJESTPENTP
気持ちや熱意が捉えきれない自分、
それを許す、待つ。

ノロマな自分の第3を許す。

本当にここは大事だと思う。

最近、僕の母(ESFP)が
強い頭痛に悩まされるようになった。

夜や朝、突然、頭が割れそうな
頭痛が襲って、パニックになったのだ。

母は医者やMRIなどを受けてみたが、
特に異常はみられないとのことだった。

母は体調を崩すことも少なく、
健康体でずっと来たので、
本人も相当パニックを受けていた。

僕の考えでは原因は、
肉体的な異常ではなく、
心理的なものだと考えた。

母は最近、転勤になった。

10年ほど勤めていた職場から
65歳くらいになってまた別の
職場に移ったのだ。

母は中学の教師だが、
新しい学校での(隣の学校だが)
今までと違うやり方や習慣などに
どうしてもイライラするそうだ。

また、

今までは転勤しても
すぐ他の教師や生徒の名前、
学校の教室の位置や配置などを
覚えられたのに、他の人の名前が
なかなか覚えられなかったり、
教室を間違えたりして、

それが彼女にとって、

「こんなはずじゃ!」

という気持ちにさせているのだと思う。

突然の頭痛の原因は
どう考えてもこれが原因だと思う。

聞くところによると、他の教師や
生徒とはすぐ仲良くなれたそうである。

でも、色んな事で間違えてしまったりして、
それが悔しいそうなのだ。

今回の話に照らし合わせると、
ESFPの母にとって、
これは自然なスピード感だと思う。

ここで無理やり第3の外的思考を
引っ張っても頭痛が酷くなるだけだろう。

そう思ったので、心理機能の話は
いれずに母にこのような事を伝えたら、

彼女も

「そうね、あなたの言う通りだわ、
間違える自分は、スローで許す」

というような事を言っていたので、
多分、頭痛も治るのではと思う。

あなたも、今回の話を参考に、

・速い自分と遅い自分
・先走って勇み足になる自分
・遅れてへばってヘマをする自分
・第3はのろまで許す

などを考えてみてほしい。

特に第3を無理やり強引に
引っ張らないようにすることは
重々、注意してほしい。

強烈な頭痛に襲われたり、
虚無感で心に穴があいたり、
第3を強引に叩いても、
必ずどこかで反動が来る。

僕のタイプは交通事故の死者数が
最も多いタイプと言われる。

これは身体を強引に動かすからだと思う。

僕も”未遂”(当たられる方)は
今までの人生で2回ほどあり、
本当にここは注意したいと思う。

あなたもあなたの第3には
優しく、ゆっくり、ノロノロしてても、

「あなたのペースでいいんだよ」

と優しく待ってあげてほしい。

そして他人の第3も、
優しく待ってあげてほしい。

人は第3や劣勢の部分は、
どうしても遅く、ノロマになる。

それを許してあげてほしい。

その人の第3を自分が
メインにもっていたりすると、

「なんでそんなに遅いの!」

と怒りたくなると思うが、
それはしょうがないし、強引に
引っ張っても良くない結果になる。

確かに人は自分のメインやサブの
部分はなかなか待てない。

第3や劣勢は待てても、
メインやサブは待てないのが人間だ。

でも、それぞれ違うのが人間だ。
それぞれで遅くなる部分は尊重してほしい。

意識が先に決まる人もいれば、
身体から入る人もいる。

心が動かなくても答えが出る人もいれば、
いつまでたっても答えが出ない人もいる。

その人が速い部分、遅い部分。

それぞれのペースがある。

遅い部分は待ってあげる、

僕もあなたも、今回の話を参考にして、

一緒にそれを心がけて更に
素晴らしい人付き合いをしていこう。

カタギ(INTP